JRRCマガジンバックナンバー

JRRCマガジン第86号(コトバ遊び)

2017年05月10日掲載

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   JRRCマガジン No.86 
 
      半田正夫の著作権の泉   第43回「コトバ遊び」

                                2017/1/11配信
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皆様、こんにちは。
JRRCメルマガ担当です。

新年のご挨拶が遅れましたが、
今年も引き続きJRRCマガジンをご愛読いただけるよう、
新しいものはどんどんトリ込み、
読者の皆様へ有益な情報をお届けして参ります。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、新春第一号は、
「半田正夫の著作権の泉 第43回~コトバ遊び~」です。


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半田正夫の著作権の泉 第43回 「コトバ遊び」
                       
 知人とともに地方のある蕎麦屋に入ったときのことである。注文をしてから何気なく壁
に掲げてある扁額をみて驚いた。そこには墨痕淋漓と達筆で「一斗二升五合」と書かれ
ていたのである。これは多分コトバ遊びであろうとは察しがついたのであるが、さあなん
と読むのかさっぱり見当がつかない。みんなでガヤガヤ言っていると、店主がにやにや
しながら解説をしてくれた。それによると、1斗=10升、1升=10合であるところから、ご
商売(1斗=5升の倍)、ますます(升がふたつ)、繁盛(5合=1升の半分)とよむのだそう
だ。店頭に「春夏冬中」と書いて「商い中」と読ませるたぐいのコトバ遊びであるが、なか
なかに面白い。
 かつて某日、会合の案内状をいただいた。そこには「華甲の祝い」と書かれていた。
華甲とはなんのことか分からず、辞典を引いたところ、「華の字を分解すると、十が六つ
と一つの一から成っており、甲は甲子(きのえね)で十干十二支のそれぞれ最初を指す
ところから、数え年の61、つまり還暦を指すことば」とのことで、初めて納得したのである。
これも99歳を白寿というコトバ遊びのたぐいに当たるであろう。
 また、「子子子子子子子子子子子子」をなんと読むか。これは「猫の子、子猫、獅子の
子、子獅子」とよむのだそうだ。
 このようなコトバ遊びは日本語だからできるのであって、ここに日本語特有の面白さが
あり、これは落語、漫才の面白さに通ずるところがあるように思われる。

 はなしは変わるが、先の大戦中に政府は戦意高揚を図るため多くの標語を作成し発
した。そのなかには奢侈な服装を戒め戦時色の統一する目的で「贅沢は敵だ」という標
語を作ったり、物資不足を国民の工夫によって解決を図ろうと「足りぬ足りぬは工夫が
足りぬ」という標語を作ったりして立て看板やチラシなどで周知徹底を図った。ところが、
「敵だ」の前に「素」をつけて「素敵だ」とう落書きをしたり、また「工夫」の「工」を削除し
て「夫が足りぬ」という時局に対する痛烈な批判を行った者がいたとのことである。コト
バ遊びの一種といえるかもしれないが、わずかな字句の修正によってまったく反対の印
象を与える庶民の素晴らしいウイットではなかったろうか。
標語、スローガンの著作物性が争われた事件が存在する。それはつぎのようなものだ。
 Aは全国交通安全運動のスローガン募集に「ボク安心 ママの膝より チャイルドシー
ト」で応募してみごと優秀賞に選定され全国紙に掲載されたところ、B社がチャイルドシ
ート装着の啓発、宣伝のため「ママの胸より チャイルドシート」のキャッチコピーを作成
して各テレビ局で放映したのを知って、著作権侵害として損害賠償を請求したという事
件である。この事件において裁判所は、Aの作成したスローガンの著作物性を認めたも
のの、交通標語のたぐいは、その性質上、交通安全の関するテーマを盛り込む必要が
あり、かつ、交通標語としての簡明さ、分かりやすさも求められるところから、創作性が
認めれる範囲は少ないとしたうえで、B社のキャッチコピーについて著作権侵害を否定
したというものである(東京高判平成13.10.30判時1773号127頁)。

 標語、スローガンの類は一般に短いが、短いからといって著作物性が否定されるとは
限らない。わが国独特の文学である短歌や俳句をみればそのことは明らかである。た
だ、表現に制約があって、他の表現が想定できないような場合とか、表現が平凡であっ
てありふれたものである場合は、創作性がみとめられないので著作物として保護されな
いのはもちろんである。もっとも、著作物性が認められる場合でも、標語、スローガンと
しての性質上、人口に膾炙してはじめて意味のあるものであるから、上記の判例の示す
ごとく権利行使の幅が狭まることは否定できないといってよい。

 かつてこんなことがあった。「飛び出るな 車は急に 止まれない」という交通標語が
流布されていた時、新聞の投書欄に、人間より車を重視している標語であり怪しからん
と激しく批判する趣旨の文が掲載されていた。彼によれば、人間の尊厳を中心に据え、
次のように変えろというものであった。
   「飛び出るぞ 子供は急に 止まれない」
ごもっとも。


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