JRRCマガジンバックナンバー

JRRCマガジン第94号(管理事業法の内容6)

2017年08月04日掲載


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   JRRCマガジン No.94 

川瀬先生の著作権よもやま話
著作権等の集中管理
第11回「管理事業法の内容6」
 
                               2017/3/23配信
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皆様、こんにちは。
JRRCメルマガ担当です。

あたたかな春の風に乗って、東京地方に桜開花の便りが届きました。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回の川瀬先生のコラムは、管理事業法に関するお話の第6回目です。
この春JRRCは指定著作権等管理事業者として15年目に突入致しました(指定:2002年3月7日)。
事務局一同気持ちを新たにより良いサービスをお届けできますよう取り組んでまいります。

それでは、
川瀬先生の著作権よもやま話
著作権等の集中管理
第11回「管理事業法の内容6」
をお送りいたします。


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川瀬先生の著作権よもやま話 
著作権等の集中管理 
第11回「管理事業法の内容6」

 今回は、大規模管理事業者等に適用される指定管理事業者制度とそれに基づく使用
料の設定方法について解説します。
 
(指定管理事業者制度とは)
 わが国の場合、1939(昭和14)年に制定された仲介業務法において原則1業種1団体
の方針のもとで法の運用が行われていましたので、例えば日本音楽著作権協会(JASRAC)
のように権利の集中度が非常に高い団体が存在しています。また、1970(昭和45)年に
制定された現行著作権法において著作隣接権制度が整備されましたが、商業用レコー
ドの二次使用料請求権や貸与報酬請求権の分野で指定団体制度が採用された結果、
個別の権利行使は禁止され、これらの指定団体を通じてしか権利行使ができない仕組
みができました。この指定団体として、実演家の権利については日本芸能実演家団体
協議会(芸団協)が、レコード製作者の権利については日本レコード協会が指定され、例
えば、商業用レコードの二次使用料請求権の行使と同時に、放送のための録音権(許
諾権)の行使も行っているという実態がありました。
 管理事業法は、新規参入を認めましたが、一方で使用料の設定に大きな影響力を与
える大規模管理事業者等の存在も認めています。また、仲介業務法の運用においては、
著作物利用の特殊性から、管理事業者と利用者団体との徹底的な協議による使用料
設定を求めておりました。
  このようなことから、管理事業法においては、今まで法の運用で行っていた使用料設
定の適正化の仕組を法制度の中に組み込み、大規模管理事業者等については、利用
者側との協議による使用料設定を制度の柱とした指定管理事業者制度を定めました。

(指定管理事業者の要件)
 指定管理事業者は、管理事業者の中から文化庁が指定します(管23条1項)。どのよ
うな管理事業者が指定されるかというと、著作物等の利用方法(法律上は「利用区分」
といいます。例えば、レコード録音、音楽配信)において、ある管理事業者が使用料を
設定すると他の管理事業者がそれに追随し、その使用料が業界の基準になるような強
い影響力を持つ管理事業者です。
 このタイプには2つあり、指定要件は法定されています(管23条1項)。一つは、ある利
用方法において、利用全体に占める全管理事業者のシェアー及び全管理事業者に占
めるある管理事業者のシェアーが相当の割合である管理事業者です。これは例えば日
本音楽著作権協会(JASRAC)のような団体をいいます。同協会の場合、商業用に利用
される音楽のほとんどを同協会と新規参入管理事業者が管理しており、しかも同協会
は全管理事業者の中でも圧倒的なシェアーを有しています。まさに、大規模管理事業者
といえます。
 もう一つは、ある利用方法において、全体に占める管理事業者のシェアーは低いもの
の全管理事業者に占めるある管理事業者の占めるシェアーは相当であり、かつその使
用料規程が使用料の額の基準として広く用いられており著作物等の円滑な利用を図る
ため特に必要がある管理事業者です。このタイプとしては、例えば日本複製権センター
が該当します。

(指定管理事業者と指定方法)  
 現在、日本音楽著作権協会(JASRAC)、日本脚本家連盟、日本シナリオ作家協会、
日本複製権センター、日本出版物貸与権管理センター、日本芸能実演家団体協議会
及び日本レコード協会の七団体です。
 具体的な指定方法としては、管理事業者の使用料規程に規定されている利用方法ご
とに行われます。例えば、日本音楽著作権協会の場合、下記の文化庁のHPを参照し
てもらえばわかるとおり、ほぼすべての利用方法について指定が行われていますが、第
2章第3節映画1録音については指定されていません。これは、映画録音については、国
際的慣行として映画会社と音楽出版社が協議して使用料を定めるいわゆる指値取引
が多いため、同協会が徴収している使用料総額の割合は取引されている使用料全体
に比べてわずかであること、同協会の使用料規程は映画業界において使用料の基準
になっていないこと等の実態があるためです。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/kanrijigyoho/jigyosha/pdf/sitei_kanri_jasrac_ver2.pdf

(使用料設定の協議)
 指定管理事業者は、ある利用方法における利用者代表から使用料規程に関する協
議の求めがあれば、これに応じる義務があります(管23条2項)。利用者代表とは、利用
者の利益を代表する団体又は個人であり、一般的には利用者団体(業界団体)のこと
をいいます。例えば、著作物を地上波放送で利用する場合、一般的には、民間放送を
代表して日本民間放送連盟が、公共放送を代表して日本放送協会(NHK)が利用者代
表になると考えられます。
 それではどのような場合に協議の求めができるのでしょうか。これには2つのタイプが
考えられます。1つは、指定管理事業者が利用者団体から意見聴取(管13条2項)を行
っていたが、合意の成立がないにもかかわらず、当該管理事業者が使用料規程の届
出を強行したときです。2つ目は、新しい利用方法の開発普及に伴い、利用者代表から
現状に適した新しい使用料の設定を求めていたにもかかわらず、当該管理事業者がそ
の要請に適切に対応しなかったときです。
 仲介業務法の時代は、管理事業者が認可申請を行いますので、利用者側が使用料
規程の変更を求めたとしても、それには法的強制力はなかったのですが、管理事業法
の場合は、利用者代表から使用料規程の変更を求めることができ、それには法的強制
力があることに大きな違いがあります。
 この点について、利用者代表からの協議の求めに指定管理事業者が応じ、協議が開
始・継続すれば問題ないのですが、例えば、指定管理事業者が協議の求めを無視し協
議が行われなかったときや、協議の途中にもかかわらず協議が打ち切られることが想
定されます。こうしたときは、文化庁は利用者代表の申し立てにより、協議の開始また
は再開を命じることができます(管23条4項)。
 この協議命令が行われた後の協議については、できるだけ話し合いにより解決できる
ように、事実上文化庁も助言等を行い合意形成に向けての努力が行われます。
 
(実施禁止期間の延長措置)
 指定管理事業者の場合も実施禁止期間が30日あるのは変わりません(管14条1項)。
しかしながら、使用料規程の届出の際に、利用者代表が協議の求めをし、かつ実施禁
止期間中に協議の求めをした旨の通知を文化庁にしたときは、必要に応じ、届出から6
月を超えない範囲で実施禁止期間を延長できることになっています(管14条3項)。これ
は、指定管理事業者だけに適用される特例ですが、6月という期間は、協議がまとまる
までの期間や協議・再協議命令に要する期間、後述する裁定に要する期間等を勘案し
て定められたものです。
 なお、実施禁止期間中に、後述する裁定の申請が文化庁に行われたときは、裁定が
ある日までの間、実施禁止期間が再延長されます(管24条3項)。
 また、過去に使用料規程の届出が行われ、実施禁止期間を経て、使用料規程が既に
実施されている際に協議の求めがあったときは、現行使用料規程を実施しつつ、並行し
て協議が行われることになります。

(裁定)
 文化庁の協議・再協議命令があってもどうしても話し合いがまとまらないときは、話し
合いによる解決をあきらめ文化庁の裁定にその判断をゆだねることができます(管24条
1項)。これは、指定管理事業者側でも利用者代表側からでもどちらでも申請ができます。
申請があると当事者の意見を聞くこと(管24条2項)、文化審議会に諮問すること(管24
条4項)等の手続きを経て裁定が行われます。
 なお、裁定に当たり使用料規程の変更が必要であると判断された場合は、当該規程
は裁定の内容に従い変更されます(管24条5項)。 


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